さく井工事
Role of
drilling workさく井工事の役割
さく井工事は、井戸を掘る作業を指します。現代では多くの家庭が水道を利用していますが、農業や工業での水源確保や温泉の掘削にはさく井技術が依然として重要です。1995年に起きた阪神・淡路大震災後、生活用井戸の重要性が再評価され災害時には安全な地下水源を提供する役割も担うこととなりました。
阪神・淡路大震災では、水道管が断裂し大規模な断水が発生しました。この教訓から、「地震防災対策特別措置法」が制定され、井戸が防災設備として認定されました。自治体が防災用井戸を設置する際には、さく井費用の半額が国から補助され、防災井戸の普及が進みました。2011年の東日本大震災後に行われた井戸の被害調査では、地震後もほとんどの井戸が枯れることなく、緊急時の代替水源として機能していたことが明らかになりました。このように、さく井工事は社会的にも重要な役割を果たしています。
Types of Well
drilling
methodsさく井工事の種類
井戸を掘る方法にはいくつかの種類があります。大別すると、パーカッション式、ロータリー式、ダウンザホールハンマー式、回転振動式に分けられ、それぞれの工法に地層への適応性、井戸の口径と深度、掘削地点の立地条件、環境への問題点、作業工程と経済性などの諸点において長所と短所があります。
Drilling
work flowさく井工事の流れ
1
事前調査
井戸新設計画地の帯水層の構造や水質、見込める揚水量を可能な限り把握するため既存資料、周辺の環境や関係法令、条例などから検討いたします。
2
機材仮設
さく井作業に必要な掘削機や資材などを、現地に運び込み、掘削機とやぐらを組み立てる必要があります。
3
掘削
弊社では主にロータリー工法での掘削を採用することが多く、掘削口径は掘削深度や計画される揚水量などによって変わります。
4
電気検層
計画していた予定深度まで掘削し電気検層を実施します。検層結果から地質状況や透水性を推定しスクリーン設置深度や遮水深度を決めます。
5
ケーシング挿入
ケーシングは井戸内の孔壁の崩壊を防ぐ役割があります。取水する帯水層に合わせてスクリーンパイプとともに埋め込みます。
6
砂利充填
砂利充填はスクリーンパイプと孔壁の間に均一の洗砂利又は硅砂をすき間なく充填することによって、揚砂や帯水層の崩壊などを防ぐ重要な作業です。
7
井内洗浄
ケーシング・スクリーンパイプを設置した後に井戸洗浄を行います。掘削時に形成した泥壁を取り除き井戸内の泥水を清水に置き換えます。
8
揚水試験
井戸の性能と取水する帯水層の揚水能力を把握し、長期的に井戸を使用できる揚水量を調べます。揚水試験中に水質試験も行います。
9
ポンプ設置
水中又は地上ポンプ、揚水管、バルブや水位電極など揚水設備を設置して井戸工事が完了します。